伊東 秀一

04/12 2万か所の不安

大分県中津市で起きた土砂崩れから一日が経った。
画面を通して見た現場映像に、これほどの巨大な岩石が
崩れ落ちたのかと思うと、言葉がない。
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このニュースを受けて、きょう長野市の住宅地に足を運んだ。
山の多い長野県は急斜面と宅地が隣接する場所が少なくない。
その大半が、土砂災害の「警戒地域」に指定を受けている。
中でも「住宅に被害が及ぶ可能性が大きい」とされる
「特別警戒地域」が県内に2万か所以上もあるという。
(大分の現場も同じ指定地域)


【裾花凝灰岩の斜面を撮影するFace取材班/長野市安茂里】

「あまり意識したことがないなあ」
「心配することはあるが、もう慣れっこになってる」
訪ね歩いた住民の多くが、こんなふうに話す。
でも中には、
「30年間この山沿いに住んでいて、何度か避難の呼びかけを受けた。
 でも避難先になってる場所が斜面の途中にあるんだからさ」
と、避難所の安全性への不安を口にする住民にも出会った。
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長野市内を流れる2つの河川、犀川と裾花川の流域を歩くと
白い地肌が剥き出しの斜面があちこちで目にとまる。
裾花凝灰岩と呼ばれる、火山灰が固まった地層だという。
脆く崩れやすいこの土地の上に、多くの生活がある。 
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遠い土地の天災は、決して他人事ではない。
そんな当たり前のことを今一度思い返さなくては。
自身を戒める思いを新たにした、きょうの現場だった。