伊東 秀一

01/31 バドリルブドゥールの夜

バドリルブドゥール。アラブの言葉で「満月」という意味。
先日、朗読と対談でご一緒した女優・赤松由美さんに教えて頂きました。
             

【TSB屋上から東の空を望む/午後7時半】

今宵は満月。しかも月全体が地球の影に覆われる皆既月食。
午後8時48分頃には月が欠け始めるとのこと(気象庁)。
当初の予報では雲に隠れて難しいかな、と思われましたが、
この時間、長野市上空は雲らしい雲は見当たらず、
文字通り「バドリルブドゥール」が煌々と輝いています。
             ✤
欠け始めから欠け終わりまで、3時間ほどの天体ショーだとか。
黙々と見上げるか、温まるものを飲みつつ見上げるか、
屋外に陣取りがっちり着込んで見上げるか・・・。
さすがに三番目を選択する度胸と覚悟はありません。
とにもかくにも、雲が増えないことを祈りつつ。
バドリルブドゥールの夜を楽しみませう。

 ✤『満月(バドリルブドゥール)の中の満月』
   1974年に唐十郎さんが書かれた小説のタイトル。
   朗読会で赤松さんが60分に渡って披露した作品です。
    
   

01/25 ちひろの面影

「母は左利きでしたから、私は彼女の右の肩越しに
 絵が出来上がるのをいつも眺めていました」
           ✤
60年近く前の記憶をたどりつつ語る男性は、
母の背中にくっついて遊んだ当時を話す時だけは、
まるで遠くを見るように目を細めた。
           ✤
母=いわさきちひろ。44年前に他界した世界的な絵本作家だ。
享年55。彼女の長男である絵本研究家・松本猛さんと先週、
東京・練馬にある「ちひろ美術館・東京」でお会いした。
66歳になる松本さんは、昨年末、初めて母の「評伝」を書いた。
「母の死んだ年齢を10歳過ぎて、母を客観的に見られるようになりました」。
そう言いながら、自身の著書を手に30分を超すインタビューに答えて下さった。
340ページという大冊の最後に、彼はこうも記している。
「私にとって、いわさきちひろは母であるとともに、師でもあった」。
           ✤ 
ことしは「いわさきちひろ生誕100年」にあたる。
「ちひろ美術館・東京」だけでなく、北アルプス山麓の「安曇野ちひろ美術館」
(長野県松川村)でも、様々な企画展が予定されているという。
是非とも訪ねたい場所が、またひとつ(いや、ふたつ)増えた。


【復元されたちひろのアトリエ(1972年当時)】
※写真は美術館の許可を得て撮影・掲載しています。

 

01/04 読む人

本日、仕事始め也。
去年も同じタイトルで年初の小文を書きました。
やはり今年も基本は一緒、と考えています。
           ✤
原稿を「読む」。言葉を「読む」。本を「読む」。
願わくば「人の思い」や「時代の向いている方向」等々も
読める人間になりたい、と願います。
           ✤
「読む」ということは、その対象と向き合うことでもあります。
逃げずに向き合い、読む、読み取る。そんな1年でありたい。
年初にそんなことを考えています。
2018年・戌年もどうぞ宜しくお願いします。


【25年来の相棒、岩波国語辞典第五版。表紙が・・・】