斎藤 沙弥香

11/08 一か月を前に思うこと

台風19号による甚大な被害からまもなく一か月。依然として大変な状況は続いています。復旧・復興には膨大な時間、お金、人の手がかかることを、取材で現場を訪ねるたびに感じています。

「今回の台風では、アルプスは守ってくれません」

そんな言葉を気象予報士から聞いたのは先月11日、台風が接近していた金曜のこと。3,000m級の山々が過去何度も風雨から長野県を守ってくれたというある種“神話”を私自身どこかで信じていたのでしょう。それだけに、予報士の言葉は衝撃でした。

自宅の鉢植えを室内にしまい、スマートフォンを満充電にし、湯船にも水を貯めました。2リットル入りの水を何本か買い、ご飯を炊いておにぎりをつくり冷蔵庫に。

自然の地形が台風から守ってくれる信州の“地の利”に甘え、恥ずかしながら充分といえる備えをしたことがなかった私。でも今回ばかりは、あらゆる情報を手探りするようにかき集め、思いつく限りの備えは全てやりました。

県内にも大雨特別警報が出され、13日朝には長野市で千曲川が決壊。どこが街でどこが川だったのかわからないほどの現場映像に、初めての恐怖を覚えました。この日、急きょ編成された60分の報道特別番組で私もスタジオ入り。メディアが伝えられる情報には限りがあること。その一方で、知らなければ備えられないことも数多くあるということを同時に知りました。そして、それを伝えることの使命も、強く強く感じました。

自然の脅威に私たちは“出来得る限りの備え”を普段からしなければならないこと。備えていても防げないこともあるということ。泥や水のついた家財道具は思った以上に重く復旧には時間がかかるということなど、本当にたくさんのことを感じ、考える一か月でした。

日々刻々と動く状況の中、「本当に知りたい情報は何なのか」「視聴者の皆さんに寄り添った情報を伝えられているか」を、スタッフ全員が悩み、知恵を出し合いつつ放送しています。たとえ少しずつでも、歩み続ければ進んでいく。この一点を信じて、一緒に歩んでいこうと思っています。