伊東 秀一

10/14 濁流の前で

空が白みかける頃、堤防決壊現場まで数百mの地点に着く。
前方の道路が水没して通れないため、車をUターンさせ、
脇道に入った途端、目の前の水田が海面のようになっていた。
波のような水の先端は明らかにこちらに近付いてくる。
取材現場で、久々に「怖い」と感じた瞬間だった。


【長野市豊野町/13日午前11時頃】


【濁流が流れ込む住宅街/13日午前7時】


【水没した電柱を高架橋上から/長野市赤沼】

「どれくらい(人数)の方が家に残っておられるか、
 正直わかりません。相当おられると思います」
とは現場の消防官の言葉。
             ✤
やがて目の前で救助活動が始まった。
孤立住宅から住民を引き上げるヘリコプターは「大阪府警」、
負傷者を乗せて走り出す救急車には「新潟市消防局」の文字が。
巨大台風で地元にも被災地を抱えながら、他県の被災者も支える。
互いに支え合いながら、それぞれが出来ることをしなくては。
濁流を前にして思ったことである。