伊東 秀一

03/13 灯り①

地震が村を襲ったのは、午前4時前だった。
真っ暗闇の中で、住民の方たちは何を頼りに朝を待ったのだろう。


【栄村・森宮野原駅前/12日午後7時前】

子供たちがキャンドルを並べ始めて間もなく、
高さ8mの雪の壁面に「3.12 栄村」の光の文字が
ゆらゆらと浮かび上がった。
会場のあちらこちらから静かな歓声と溜息があがった。
           ✤
県北部地震から8年になる栄村で行われた「復興灯明祭」を訪ねた。
小雨の降りしきる中、集まった人たちは傘や雨合羽姿で、
夕闇に浮かび上がる蝋燭の灯りを暫し見つめていた。
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この8年で、村の人口は約2割減少し、
一方で65歳以上の人口比:高齢化率は5割を超えた。
地震以降、その進み具合は他の自治体よりも速いという。
「村を元通りにすることが難しいのは分かっている。
 でもね、一軒一軒の灯りは守りたいんだよね」
キャンドルに灯を点していた男性スタッフの言葉が胸に残った。