伊東 秀一

11/29 雪之丞さんが来た!

 かつて週刊新潮の表紙絵を長く描いておられた
画家・谷内六郎さん(1921~1981)の絵に、
『かん太郎さんの出そうな晩』という1枚があります。
水彩で描かれた夜の山並の向こうに“北風小僧の寒太郎”を思わせる
巨人が歩いているという構図が、厳しい寒さの訪れを想像させ、
私の大好きな絵でもあります。
             ✤
 そんな谷内作品の題名に影響された私は、雪の降りそうな時季になると
「そろそろ雪之丞さんが来そうだ」という勝手に作ったフレーズを口にしては、
周囲から「何じゃそれ?」という顔をされます。


【TSB屋上から東の山並みを望む/29日午前】


【一方、西側の山並みは紅葉が残りわずか】

 で、今年も“雪之丞さん”がやってまいりました!
長野市にはきのう既に「初雪観測」の便りは届いていましたが、
けさ、窓から見える遠くの山々が真っ白になっているのを見て、
やっぱり冬だ(当たり前ですね)と実感した次第です。
             ✤
 気が付けば、あさってはもう師走。雪之丞さんと寒太郎さんが
入れ替わり立ち替わりやってくる季節が始まります。

11/12 記者たちの1か月

 「他人の生活に土足で踏み込んでるような気がします」
 「声を掛けるのが申し訳ないと思ってしまって」        
被災地を歩いてきた記者やアナウンサーが、
夜の報道デスクでぽつんと口にするのを何度か聞いた。


【水害取材で訪れた上田市下之郷からの夕暮れ】

一方で、カメラを向けると溢れるような思いのたけを
一気に話してくれる方もおられる。
 「申し訳ありません、大変な時に」
 「いや、取材してもらわなきゃ私らのしんどさは誰にも分からんもの」
先日訪ねた長野市北部の住宅地。足首まで泥が積もった玄関で、
70代の女性は目に溜めた涙を懸命にこらえておられた。
           ✤
私自身を含め、連日現地を歩いてきた取材者は
おそらく全員が日々迷いの連続だったはずである。
それでも伝えなければ埋もれてしまう事実や思いがある。
この1か月間、局の廊下には泥まみれのゴム長靴が並ぶ。
           ✤
鈴木恵理香、齋藤沙弥香、厚芝智行・・・・・・。
若い伝え手たちが仕事の中で、日常生活の中で
体験し、思い、考えた事どもを最近のブログに綴っている。
取材者たちのこの1か月、お時間がゆるせば是非読んでやって頂きたい。