伊東 秀一

06/16 星野さん流〈行程表〉

「なぜ18か月(1年半)なんですか?」
という私の問いに、
「コロナのワクチンが出来るまでの期間が1年半と言われてます。
 ですから、その時期を見据えてやるべきことを考えるんです」
と、その答えは実に明確だった。
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答えの主は、星野佳路(よしはる)さん。
信州・軽井沢を拠点に国内外に観光拠点を展開する
星野リゾートの代表である。
先日、情報番組「ゆうがたGet!」のインタビューに
東京のオフィスからリモートで出演して下さった。
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新型コロナに対する星野さんの考えは「なるほど」の連続。
まとめてお伝えするにはもったいないのだが、
かいつまめば以下のようになるだろうか。

●コロナの拡がりは第2波以降もあるが、その波を繰り返す中で
 私たちも対応を学びながら、人の動きも観光も徐々に回復する。
●海外からの観光客激減を嘆く声が多いが、来日する外国人観光客
 =インバウンドは全体の17%であること。
●その分を日本人の国内観光に振り向けることで補うことは可能。
●宿の中で「3密」を避ける仕掛けや動線が確立されていれば、
 観光施設への不安は取り除ける。
●これからは「自宅から30分~1時間程度で行ける」近場の旅が
 観光回復へのカギになるはず。

星野さんは、この近場の旅を「マイクロ・ツーリズム」と呼ぶ。
遠出ではない日常生活圏内で、ある種「コロナ疲れを癒す」旅が
主流になってくると予測されている。
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世界の動きを見つつ、地域の価値も見落としてはならない。
観光界注目のトップが語った「行程表」には、
政治家の多くがやたらと口にするロードマップ(行程表)より
はるかに明解かつ微に入り細に入った視点を感じたのだが。

06/01 日常・習慣・普通

夕刻、TSBの局舎に隣接する公園では
自転車に跨った小学生とおぼしき集団が
歓声をあげながら走り回り、
芝生の上では母親の傍らを駆ける幼児の姿が。
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学校の授業が始まり、公共施設が再開された
きょう6月1日。
「日常」が少しずつ動き出した感があります。

私はといえば、仕事の合間の休憩時間に
職場から徒歩数分の距離にある喫茶店へ。
顔を出すのは実に2か月ぶり以上のこと。
カウンターの奥で黙って手を挙げるご主人の顔に、
無意識のうちにホーッと溜息が漏れます。
たとえ僅かでもこんな時間を持てることが、
ささやかな「日常」の片鱗かもしれません。
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「日常を取り戻す」とあちこちで言われます。
本当に取り戻せるのかな、と考えます。
日常ってどんなだったっけ?と思い返してみます。
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少なくとも今までと同じカタチには戻せないでしょう。
でも、それに近づける努力と工夫と習慣は不可欠です。
そうして身に着いた「習慣」が、新しい「普通」に
なっていくような気がしています。
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お前の文章、長いよ!とまた誰かに言われそうなので、
この続きはまた後日に。