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【特集】歴史的な円安追い風に 信州もインバウンド好調 1回で10万円の買い物も!

おとといの外国為替市場で一時、節目となる1ドル=160円を突破し、およそ34年ぶりの円安ドル高水準となりました。この歴史的な円安を追い風に信州を訪れる外国人観光客が増え、売り上げを伸ばす企業も…。 本格的な観光シーズンが幕を開けた松本市の上高地。河童橋には多くの外国人の姿が…。 松本市によりますと、去年、上高地に宿泊した外国人は1万6980人と新型コロナ前の2019年と比べて25パーセント増えました。新型コロナの5類移行後、インバウンドの堅調ぶりは歴史的な円安が追い風となっています. 北佐久郡軽井沢町の「軽井沢・プリンスショッピングプラザ」。首都圏からのアクセスが良く、外国人客の姿が目立ちます。 カナダから 「自分用に靴を2足とスウェット、妻がバッグを買ったよ。僕は2万1000円。でも妻のは10万円もしたんだ。予算は決めてこなかったけど、そろそろ終わりにしないとね」 インドネシアから 「実はきのうもここで買い物をしたんだけど、もっと欲しくなってきょうも来ちゃったの。予算は特にないわ。欲しいものを欲しいだけ買うつもりよ」 タイから 「セーターと子どものおもちゃ、子どもの靴。あと妻がバッグを 買っています。きょうだけで10万円くらい使いました」 Q.円安の影響は? 「とても感じています。実は半年前にも日本に来ているんです。円安のうちに来れるだけ来なくちゃね」 世界中に展開する有名スポーツブランド店では、シンガポールからの買い物客が子ども用の靴を選んでいました。 バッグと合わせて購入金額は1万5000円。自国でも買える商品を日本で買うワケはというと…。 シンガポールから 「最高よ!たくさん買えるもの。円安のおかげでお金もたくさん使えるわ」 「軽井沢・プリンスショッピングプラザ」の今年3月期の売上高は565億円と2年連続で過去最高を更新しました。 西武リアルティソリューションズ商業運営部 SC担当米沢 涼さん 「23年の5月に5類に解除されまして、そこからインバウンドの客足も戻り、ラグジュアリーブランドとスポーツブランドを中心に売り上げが伸長したことによって過去最高売り上げが更新できたという経緯があります」 外国人客の購買は92億円で売上高全体に占める割合は16.3パーセントを占めています。ショッピングプラザ側も対面型の翻訳機や海外配送サービスを導入し、インバウンド需要に対応しています。 西武リアルティソリューションズ商業運営部 SC担当米沢 涼さん 「海外のお客さまがより快適にお買い物ができるような環境づくりに私たちはこれからも努めていきたいと思います」 円安の影響は他にも…。 昨年度、およそ16万人の外国人観光客が訪れ、過去最多を更新した国宝・松本城。 インバウンドの動向などを調べる企業がコロナ後に行った調査では外国人観光客に今、最も人気がある県内スポットとして松本城が選ばれています。 アメリカから 「お城を見たくて松本に来ました。北アルプスの山や自然、歴史が素晴らしいですね」 オーストリアから 「松本は人気の旅行先です。何と言ってもお城が素晴らしい。歴史があって他にはないものですから」 一方、お城以外も楽しんでもらおうと、市内ではこんなイベントも…。 けん玉パフォーマンス。 女鳥羽川沿いに土産店やレストランが建ち並ぶ縄手通り。 4月、日本の芸能や伝統文化を披露するイベントが行われ、多くの外国人観光客を魅了していました。元々は古い街並みを利用した地元向けのイベントでしたが、インバウンドの増加とともに、外国人観光客が「和」に親しむイベントへと変化したといいます。 けん玉楽しむ香港人 「ワン・ツー・スリー!」「イエーイ!」「ナイス!」 香港から 「おしゃれな街ですね。古い建物もたくさんあるし、この通りもすごく写真映えします」 香港から 「観光客にも優しい雰囲気とあまり混んでいないところがいいですね。例えば大阪に行くと人混みがすごくて落ち着いて観光することができませんから」 日本を何度も訪れているというこちらの2人。今回は、いつも以上に旅行を楽しんでいました。 「KANPAI(乾杯)!」 10席ほどのこじんまりとした店内。松本城から5分ほど歩いた場所にある「小料理いとう家」です。 中で飛び交っているのは全て英語。この日、外国人客で満席となっていました。 伊藤さん「飲み物は決まりましたか?」 客「ゆず酒をロックで」 店を切り盛りするのは、伊藤久美子さん。短大時代に学んだ英語で接客し、カード式の英語メニューを手作りするなど外国人客が利用しやすい店づくりを心掛けています。それが口コミで広がり、外国人客に人気の店に。 小料理いとう家 伊藤久美子さん 「コロナの間は一人も…っていうぐらい外国のお客さまがみえなくてコロナ終わって去年からは徐々に増え始めて、今年の4月からは急にですね、毎日毎日」 店を開業したのは21年前。元々は日本人観光客や地元の人が訪れていた店でした。 6年ほど前に国がインバウンド対策に力を入れ始めたことで外国人客が目立つようになりました。 小料理いとう家 伊藤久美子さん 「地球の裏側からわざわざ日本に来て、日本でも小さな松本市の中のまたうちに来てくれるっていうのですごくそういう点ではうれしいので。来たからにはなるべくいいおもてなしをしようと思っています」 提供するのは日本の家庭料理。豆腐料理や野菜ギョーザなど肉を食べられない外国人客にも対応しています。 客「女将が作ったんですか?」 女将「娘が作りました」 客「すてき」 フィリピン人観光客 「彼女はとっても親切だわ」 Q.思い出になりましたか? 「もちろんよ!」 歴史的な円安を背景に信州を満喫する外国人。インバウンド効果はしばらく続きそうです。

5月1日 20:30