検査キットを開封したら30分程度そのまま放置する。
試薬は10滴、唾液は4滴。
混ぜたら十分に撹拌(混ぜ合わせ)をする。

初めての「新型コロナ簡易抗原検査」を自分でやってみた。
隣に置いた検査マニュアルを読みつつ、おっかなびっくりである。
この日は遠来のタレントさんと間近で接する仕事のため、
先方もこちらも、それぞれ検査を済ませてから合流するのだ。
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試薬と撹拌した自分の唾液を、検査キットに3滴垂らし
待つこと数分・・・・・・。

「C」の欄に赤いラインが出れば、キットが正常作動している証拠。
そして「T」の位置にもう一本ラインが現れた場合は陽性、
つまり感染を示す。
ワクチン接種が済むまでは、必要に応じてあと何度かこれを
やらねばならないのだろう。
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80代半ばになる母から先日「接種の予約が取れた」と連絡があった。
こうした検査をすることなく、日常が送れる日が待ち遠しい。
番組の打合せと下見を兼ねて訪れた上田市塩田平。
その片隅で見つけた巨きな木が下の写真です。

根元のベンチや背後の家並みと比べても高さ・幅ともに圧巻。
かなりの古木であることが伺えます。
あの大手電機メーカーグループのCMソングが
自然と耳の奥に聞こえてくるようです。
さて、この巨木。何の木でしょう?

実は!樹下一面に散らばっていたのは、桑の実(写真)。
そう、これほど巨大な桑の木なんて見たことがありません。
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小学生の頃、学校帰りに道端の桑の実を摘んでは口に入れ、
帰宅後、祖父母に「またどっかで桑グミ食べてきたろ!」と叱られる。
口の周りがみごとに赤紫色に染まり、誰が見てもバレるはずです。
ちょっとばかり懐かしさがこみ上げる風景でした。
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(この数日後、「この木なんの木」を作曲された小林亜星さんの
訃報を知りました。なにか不思議なめぐり合わせです。)
日々のニュース原稿に筆を入れるのと、実は勝手が違います。
今回は「新聞」原稿の話です。
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毎月第1木曜と第3木曜、読売新聞長野版に連載中の
アナウンサーコラム『マイチャン。な日々』。
齋藤沙弥香&鈴木恵理香の「news every.」キャスター2人が
交代で執筆を担当しています。
でもって、その原稿直し=赤ペン先生をしてるのが私なのです。

写真は6月3日に既に掲載された鈴木アナの初稿に
直しを入れている時のもの。
放送はできるだけ「話し言葉に近く」を原則に
言葉を選び、表現を模索するわけですが、
新聞となると勝手が違います。
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話し言葉をそのまま活字にすると冗漫なニュアンスになったり、
放送ではあまり口にしない個人の意見を書く場合、
やわらかく表現したつもりが、逆に"当たり障りのない"
感想になってしまったりと、難しさを感じます。
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そんなわけで今週は、17日掲載予定の齋藤沙弥香アナの原稿を
鋭意手直し中なのですが。ん~、この1文が決まらない。
ねぇ齋藤、どうしよう?
「本当に大きな支えのような人でした」
こう話すのは、私たちのリモート・インタビューに
答えて下さった女優の竹下景子さん。
去年春に亡くなった信濃町在住の作家、CWニコルさんの思い出と
森のこれからを「news every.」で語って頂いた。

【新緑が淡い信濃町・アファンの森/5月14日撮影】
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ニコルさんと古くから親交のあった竹下さん。
「訪ねるたびにアファンの森が変わっていなあと感じながら、
ニコルさんには本当に色々なことを教えてもらった。
ああ、もっとたくさん伺っておけばよかったなと思って」
(竹下さん談)

竹下景子さんが朗読する詩「森の祈り」をWebで拝見した。
「森の祈り」はニコルさんが遺した最後の言葉だという。
それが竹下さんの深く柔らかな声に乗って伝わってくる。
ぜひ皆さんにも視聴いただきたい一本だ。
(✤一般財団法人「C.W.ニコル・アファンの森財団」HPから視聴)



5月半ば、取材クルーとともに森を訪ねた。
風と渓流の音、鳥の声しか聞こえない森を歩いていると、
ふっと木の陰からニコルさんが出てきそうな気配がある。
「ニコルは森になった、森に還ったと我々は思ってます」
案内してくれた財団スタッフのOさんが穏やかに笑った。
そうか、その辺にいるんですね、ニコルさん。
そう思うと、寂しさも少しばかりやわらぐ気がする。
当初の案は英字表記の「KAIGO」だったのだが、
見た目の分かり易さとシンプルさなどを理由に
「介護」という漢字表記にタイトルは落ち着いた。

車椅子のお年寄りと向き合う写真右側の男性が
主人公のロフマンさん。インドネシア出身の介護士だ。
13年前に来日、上田市の施設で働きながら学び、
日本の介護士資格を取得した。
だが、ほどなくして彼は信州を離れることになるのだが。
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あす放送のドキュメンタリー「チャンネル4」は
13年間にわたる継続取材がかたちになった。
そこから見えてくるのは、海外の人材に頼らざるを得ない
日本の介護の現実。さらには、いつまで彼ら彼女たちに
頼り続けられるのかという、ある種のジレンマである。
「介護」という仕事も言葉も、ロフマンさんの国には存在しない。
そのことに改めて驚かされた。
私自身が老いる頃、この国に「制度としての介護」は残っているのか?
そんなことさえ考えさせられる。
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●番組:「チャンネル4~ロフマンと介護」
●放送:5月22日(土)午前9:30~10:25
ナレーター:小山茉美
ディレクター:久和健一郎
音効・MA:大沢しおり
プロデューサー:伊東秀一
●番組ホームページはこちら↓
https://www.tsb.jp/bangumi/ch4/