朝夕、毎日その巨木の下を通りながら、
存在を意識し始めたのはごく最近のことだ。
TSB局舎の前の交差点脇に立つヒマラヤ杉。
テレビ塔とまではいかないが、3階建ての局舎は優に上回る。
酷暑の昼間、木陰に入ると不思議と暑さを感じない。
他の日陰よりも涼しく感じるのは気のせいか。
TSB開局前、ここは県農業試験場と農業大学校の北門があった。
古い資料によると、ここに農業試験場が移転したのは大正10年。
当時から立っていたとすれば、ヒマラヤスギは
あの戦争も見てきたということになる。
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昼間、自転車を漕ぎながら汗だくになって樹下に入り、
ほっと一息ついて巨大な幹を見上げてみる。
ヒマラヤスギは、独り黙って立っていた。
きょう8月15日、80年目の終戦の日。