伊東 秀一

07/09 水の七月

大雨特別警報が、土砂災害警戒情報が、
そして避難に関わる情報が相次いだ信州。

昨日は雨あがりの犀川水系を
上流から下流へ移動しながらの取材でした。
去年の台風水害でも身に染みた
‟雨がやんだ後”の怖さを目の当たりに。


【長野市信州新町・水篠橋付近の犀川】8日午後2時すぎ


【東京電力小田切ダム/長野市塩生】午後2時半


【犀川・千曲川の合流点付近。河川敷にも水が】午後3時すぎ


【冠水した千曲川河川敷の畑/長野市津野】午後5時


【生中継スタンバイ中/千曲川左岸の堤防で】午後6時前

下の2枚は、去年の台風で堤防が破れた「決壊地点」のすぐ下流で撮影。
千曲川本流から溢れた水が河川敷に流入する現場に遭遇しました。
「いやだね、去年を思い出しちゃうよ」
不安げに川を見ていた地元の男性の言葉です。

 
           

07/07 七月の記憶

手帳の頁を繰っていたら「永さん命日」のメモ書き。
ああ、今日だったか、と。
放送作家の永六輔さんが他界されたのは4年前、
2016年の七夕だった。享年83。
訃報を知った数日後、善光寺門前にある永さんの定宿を
取材した際のメモ書きだった。
            

【公園の水たまりに映る雨空/午後4時すぎ】

南木曽町を襲ったゲリラ豪雨で土石流が発生し、
当時中学生の男の子が亡くなったのが2014年の7月9日。
            ✤
岡谷市で数日間降り続いた長雨が土石流を誘発し、
諏訪湖畔の住宅街を襲ったのが2006年の7月19日だった。
数日間現地に泊まりこみ、不明者捜索の様子を
現地から伝え続けた記憶がよみがえる。
            ✤
ノートをめくりつつ、7月は悲しい出来事が目に付くのは
取材者という仕事の因果さの所以だろうか。
九州地方の豪雨被害と県内の雨雲レーダー画面を睨みつつ、
目まぐるしく入れ替わる自治体の避難情報に耳をそばだてる。
            ✤
あすの「ゆうがたGet!」(午後3時50分~)では、
雨の降り方と雨量の関係を解説する予定です。
命と安全を守るための豆知識も併せて。

07/03 宇宙人は何を語る?

嬉しいご報告をひとつ。 
テレビ信州制作のドキュメンタリー「チャンネル4 カネのない宇宙人~閉鎖危機に揺れる
野辺山観測所~」がギャラクシー賞テレビ部門の最高賞にあたる大賞をいただきました。
番組は去年11月30日に放送され、その後「NNNドキュメント」として
全国向けにもリメイクされました。
この賞はNPO法人・放送批評懇談会が1963年から続けている表彰制度で、
受賞は放送人にとっては大変名誉なこと。大きな自信にもつながります。

舞台は南佐久郡南牧村にある国立野辺山電波観測所。国の方針で予算を削減される
現場の一つなのです。
食堂を閉め、電気代節約に心を砕き、やがては若い研究者たちに天文台を離れるという
決断を迫ります。
閉鎖の危機を知って1年間。足繁く取材に通い続けたのは、テレビ信州の高柳峻ディレクター。
普段は午後の情報番組「ゆうがたGet!」の演出を担当しています。
彼のつぶさな取材は、大晦日までも。


                    
国が削減しようとする予算は、かつてノーベル賞のニュースで日本人受賞者が発言した
「基礎研究をもっと大事にしてほしい」、その基礎研究の土台に関わるお金でもあるのです。
                    ✤
番組ではもうひとつ、国の防衛・安全保障にかかわる助成金と、科学の関係をも描きます。
科学は平和目的に利用されるべきもの。軍事利用をしてはならない。でも先立つものがない。
もし助成金に応募すれば・・・・・・。
                    ✤
 ギャラクシー大賞受賞を機に、テレビ信州では番組の再放送を予定しています。
放送日時は決まり次第お知らせします。
番組に登場する「1人の宇宙人」の言い分に耳を傾けてみて下さい。
                       (※写真は番組内より抜粋したものです)   
                

06/16 星野さん流〈行程表〉

「なぜ18か月(1年半)なんですか?」
という私の問いに、
「コロナのワクチンが出来るまでの期間が1年半と言われてます。
 ですから、その時期を見据えてやるべきことを考えるんです」
と、その答えは実に明確だった。
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答えの主は、星野佳路(よしはる)さん。
信州・軽井沢を拠点に国内外に観光拠点を展開する
星野リゾートの代表である。
先日、情報番組「ゆうがたGet!」のインタビューに
東京のオフィスからリモートで出演して下さった。
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新型コロナに対する星野さんの考えは「なるほど」の連続。
まとめてお伝えするにはもったいないのだが、
かいつまめば以下のようになるだろうか。

●コロナの拡がりは第2波以降もあるが、その波を繰り返す中で
 私たちも対応を学びながら、人の動きも観光も徐々に回復する。
●海外からの観光客激減を嘆く声が多いが、来日する外国人観光客
 =インバウンドは全体の17%であること。
●その分を日本人の国内観光に振り向けることで補うことは可能。
●宿の中で「3密」を避ける仕掛けや動線が確立されていれば、
 観光施設への不安は取り除ける。
●これからは「自宅から30分~1時間程度で行ける」近場の旅が
 観光回復へのカギになるはず。

星野さんは、この近場の旅を「マイクロ・ツーリズム」と呼ぶ。
遠出ではない日常生活圏内で、ある種「コロナ疲れを癒す」旅が
主流になってくると予測されている。
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世界の動きを見つつ、地域の価値も見落としてはならない。
観光界注目のトップが語った「行程表」には、
政治家の多くがやたらと口にするロードマップ(行程表)より
はるかに明解かつ微に入り細に入った視点を感じたのだが。

06/01 日常・習慣・普通

夕刻、TSBの局舎に隣接する公園では
自転車に跨った小学生とおぼしき集団が
歓声をあげながら走り回り、
芝生の上では母親の傍らを駆ける幼児の姿が。
         ✤
学校の授業が始まり、公共施設が再開された
きょう6月1日。
「日常」が少しずつ動き出した感があります。

私はといえば、仕事の合間の休憩時間に
職場から徒歩数分の距離にある喫茶店へ。
顔を出すのは実に2か月ぶり以上のこと。
カウンターの奥で黙って手を挙げるご主人の顔に、
無意識のうちにホーッと溜息が漏れます。
たとえ僅かでもこんな時間を持てることが、
ささやかな「日常」の片鱗かもしれません。
         ✤
「日常を取り戻す」とあちこちで言われます。
本当に取り戻せるのかな、と考えます。
日常ってどんなだったっけ?と思い返してみます。
         ✤
少なくとも今までと同じカタチには戻せないでしょう。
でも、それに近づける努力と工夫と習慣は不可欠です。
そうして身に着いた「習慣」が、新しい「普通」に
なっていくような気がしています。
         ✤
お前の文章、長いよ!とまた誰かに言われそうなので、
この続きはまた後日に。