先週末の夕刻、佐久市内を車で移動中
ふと浅間山の方に目をやると、んッ?
山裾の下半分だけがまるで定規で線を引いたように白くなっていて。
最初、下半分だけ夕陽があたっているのかと思ったのですが、
西側には目立った雲もなく鮮やかな西日が注いでいます。
どう見ても、積雪もしくは霧氷のようなものに違いない。
こりゃ特ダネ写真だ!
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休み明け、気象予報士の智恵さんに見てもらうと、
「これ8年振りに観測された珍しい現象なんです」
よっしゃ!やったと喜んだのもつかの間、
「これ月曜に視聴者さんの写真で放送しました」
ああ、先を越された......。
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高い側に暖気が、低い側に冷気(寒気)が入り込む
いわば気温の逆転現象のようなものが起きたのだそう。
特ダネにはならなかったものの、いやぁ驚きました。
生まれて初めて見た不思議な光景。
私が保育園の頃、祖父に連れられ長野駅前の劇場で
初めて観た映画が「ゴジラ対キングギドラ」でした。
今や時代は「シン・ゴジラ」。強面のヒーローは健在です。
(※写真は庵野秀明監督直筆の原画)
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山の麓の一軒家だった実家は、テレビが映りにくく
当時「難視聴世帯」と呼ばれていました。
なので、ウルトラセブンはリアルタイムでは見ておらず、
次の「帰ってきたウルトラマン」が最初に見た怪獣特撮。
巨大怪獣と戦っていたMAT(モンスター・アタック・チーム)の
戦闘機の展示は、周囲を4回ぐらい廻って堪能しました。
平日の午後、1時間以上かけて味わった庵野ワールドですが、
妙に印象に残ったのが上の写真のミシン。
庵野監督の実家にあったこれが、彼の機械好きの「原点」だった
という説明文に、なぜかものすごく感動したのです。
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■【庵野秀明展】(長野県・テレビ信州など主催)
■ 長野県立美術館で2月18日(日)まで
■一部作品を除いて写真撮影可
間もなく放送開始の「ゆうがたGet!」。
本日の私は『金子貴俊のテッペン頂きます!」の
ナレーターとして登場いたします。
いつもの"報道系トーン"とはふた味くらい違った
"高山系トーン"と自分では呼んでおりますが、
けっこうハイテンションな語りを披露しております。
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「ねー、なんであんなに楽しそうなんですか?」(Kアナ)
「だって楽しいんだもん、あのコーナー」
「あれ何にも考えないで読んでますよね」(Tディレクター)
「おまえ失礼だな!かなり悩みながら録音するんだから」
正直どこまでテンションを上げればいいのか?
自然の山は時として危険も伴う。だからはしゃぎすぎずに、
厳粛な気持ちで語る気持ちも忘れないこと。
と、自分自身には言い聞かせているのですが......
やっぱりちょっとハイ(高)すぎるかなあ?
Tverでの配信もチェックしてみて下さい。
目覚まし無しでも決まった時間に目が覚める。
本を読み進むペースが以前より遅くなった。
テレビを視るよりラジオを聴く時間が増えた。
人と衝突することがずいぶんと減った......等々。
自分自身の変化が冷静に見られるようになった、
2023年はそんな年でもありました。
良いのか、そうでないのかは分かりませんが。
年の瀬、お詣りに寄った京都・東山からのぼる今年最後の満月。
カメラを覗きながら、思い返す事はあれもこれも。
きょう(30日)は仕事納めのニュース当番。
皆様、どうぞ良いお年を。
サインの列に並んだのは、生まれて初めての経験だった。
15分ほど待っただろうか。私の手から受け取った著書に
その人は肉厚の万年筆でゆっくりと文字を書いた。
大柄な体躯と似つかず、驚くほど丁寧な、美しい文字だった。
盛岡から長野に転居して間もなかった私がその話しをすると、
「盛岡ですか。競馬の街ですね」と彼は目をあげて微笑んだ。
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伊集院静さん。私がこよなく愛し尊敬する作家と
たった一度、直接言葉を交わした23年前のあの日。
無類のギャンブラーであり、酒豪であり、切ない人の背中を
そっと押してくれるような優しい文章を書く人だった。
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「小説を読んでいますか?」
直球な問い掛けに、私は「はい」としか答えられなかった。
「いい小説をたくさん読んで下さい。きょうは有難う」
あの声を、笑顔を思い返しながら、今夜は何を読もうか。