この半年ばかり、身の回りで「故障」が続いてまして。
14万km走った愛車が年明けに高速道で動かなくなり、
キーホルダーに付けていたヒスイ(石)のお守りが割れ、
先月には、30年近く居間で時を刻み続けた柱時計が
停まってしまったのです。

思い返せば、私が小学生の頃に古い居間の柱に掛っていたもので、
結婚を機に、実家の物置で眠っていたのをもらいうけ
我が家で使い続けてきました。
祖父が生前、欠かすことなく毎月ねじを巻いていた姿が
思い出されます。
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その柱時計のことを、白馬村のヒスイ職人さんに話したら、
「それはきっと、持ち主を守るために何か悪いものを
引きうけてくれたんだと思いますよ。
長く使っているモノほど、そうなんでしょうね」
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ちょっと胸が熱くなった気がしました。
今度の休み、時計屋さんに持って行ってみよう。
直るといいのだけれど......。
松本市の信州大学で私が受けもってきた前期講義が終わった。
先週までの計15コマ。正直、あっという間でもあった。

【鈴木恵理香キャスターがゲストの‟キャスター論"で】
=写真提供:信州大学全学教育機構
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若い人たちと対面で直接語り合い、意見を交じえる。
普段カメラに向かって語る時間の多い私たちには、
新鮮でもあり、貴重な時間でもある。しかも3年ぶり。
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14コマまで順調に来ていた先月末、コロナ対策を理由に
最後の1コマだけが遠隔(リモート)になってしまった。
私の顔も声も教室のスクリーンには映っているはずだが、
いつもの学生たちの顔はこちらからは見えない。
相手が見えない寂しさを、改めて感じた最後の授業。
夏休みが明けた後期は、さてどうなっているだろう?
参議院選挙の熱が少しばかり冷め、
世の中が落ち着くかと思ったのもつかの間。
新型コロナの新規感染者数が、大都市圏にやや遅れて
長野県内でも急増してきた。

連日の真夏日(時々猛暑日)が続く中、ふと気づいた。
毎朝の検温の数値がちょっと高めの日が続いている。
本来の平熱に比べると+0.5~0.7℃といった程度なのだが。
不安のさなか、折しもスタジオ解説をお願いした
ゲストの救急医の先生がその理由を教えて下さった。
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「人間の体表温度は外気温にとても左右されます。
暑い環境にいれば体表温度も高くなるんです」
「私たちが体温計で測るのはまさに体表温度なんです。
だからあまり神経質にならないように」
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少しばかり安心した私。とはいえ、この猛暑が続く限り
私の体温も「ちょっと高め」のままということか。
せめてもうちょっと涼しくなってくれないかな💦
こんなに早く梅雨が明けるとは思いませんでした。
6月なのにこの暑さ、ずっと続くんでしょうか。
参院選が公示され、きょうで一週間が経ちました。

【候補の第一声に集まった人たち/22日朝・長野駅前で】
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猛暑というより酷暑の中、政見を訴える候補の演説を
何度か街頭で聴いてきました。
ウクライナの戦況が日本の有権者の選択にどう影響するか?
次から次へと上がる物価対策を、各党はどう考えるのか?
感染者が減り続けるコロナの対策は、この先どう変えていく?
どれも私たちの今の生活に直結したものばかり。
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考えながら耳を傾ければ、問いたい事は尽きない気がします。
暑さの中の選挙戦、議論も思考も熱くなって欲しいのですが。
日曜の朝、ちょっと頑張って早起きし、
軍手と雨合羽を羽織って通りへ出る。
山車(だし)の通り道となる町内に
ご近所さんと一緒にテントを張り、
会所(かいしょ)と呼ばれる休憩所をこしらえる。
実に3年ぶりとなる「ながの祇園祭」だった。

【善光寺への坂道を登る山車/12日午前・長野市大門町付近】
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山車の上から音曲に乗せて披露される踊りを見ながら、
隣にいるKさんが、ほんの少し涙ぐんでおられた。
数年前にご主人を亡くされ、今は一人ぐらし。
「良かった、またお祭りが見られるようになって。
主人が見たらもう大喜びだったでしょうに」
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ご近所さんに声をかけられ、話は弾んでいた。
「来年もきっと出来ますよ。また待ちましょう」
善光寺への坂道をゆっくり登っていく山車の背を、
Kさんはいつまでも見送っていた。